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米の放射性物質の検査実施を決定

 農林水産省は8月1日、東北関東を中心とする自治体に近く具体的な放射性物質の検査方法を指示することを明らかにした。また千葉、栃木、茨城が検査の実施を決めた。

 検査は作付け前、収穫前、出荷前の三段構え。作付け前の土壌検査では、福島県の一部で4月に作付け制限を実施。収穫前に地域ごとにサンプル検査を行い、その結果に応じた出荷前の検査で国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された場合、政府が出荷停止を指示する。

 一方、低落傾向が続いた米価格に"異変"が起きている。東日本大震災による作付けへの影響や東京電力福島第1原子力発電所事故による放射能汚染の懸念から、すでに収穫済みの2010年産米への需要が急増している。複数のブランド米で、卸業者間の取引価格が震災後4~5割も上昇している。値上がり期待から業者が売り渋っているため、政府備蓄米の買い入れが計画を下回る余波も出ており、今秋の新米の収穫量や安全性への不安が払拭されなければ、さらに影響が広がりそうだ。

 米穀データバンクの調査によると、10年産米の業者間取引価格(関東の玄米60キロ当たり)は、震災前の3月9日に1万9100円だった「新潟県産コシヒカリ」が、今月20日には2万6800円と4割値上がり。「秋田県産あきたこまち」も、同じ期間で5割、被災地の「宮城県産ひとめぼれ」は44%上昇している。

 原発事故で、11年産の新米への放射能の影響がどの程度出るかわからなくなり、10年産米が貴重品になり市場に出てこなくなったため。米の放射性物質の検査の結果により更に価格が上昇し、市場に大きな影響を与える可能性もある。

 一方、農林水産省は政府備蓄米の確保のための買い入れ入札を2月から8回行ったが、業者の応札を受けて決まったのは約6万7638トンと、計画の20万トンの約3割にとどまった。5月末時点の政府備蓄米の量は88万トンで、農水省は20万トンの買い入れにより、適正な備蓄水準とされる100万トン以上を確保する計画だった。しかし「価格が上がるという期待感があり、応札する業者が少ない」ため、計画達成が難しくなっているという。

 原発事故の影響で政府は11年産米について、福島県飯舘村など12市町村の約1万ヘクタールに作付け制限を指示。ただ、農水省は震災の被災県で作付けが困難な地域と生産余力のある地域の生産量の調整を行っており、「米不足の懸念はない」としていたが、牛肉などに放射能が混入したことにより、土壌検査の必要性が改めて確認された。

 千葉県は、ほぼ全市町村の1カ所以上で採取した玄米段階のコメについて今週中にも検査を開始。基準値を超えた市町村のコメが出荷されないようにする。栃木県は、8月中旬にも約180地点でサンプルを採取。茨城県も早ければ8月初旬に検査を始める。

 これらの結果により、市場は大きく揺れ動くことになりそうだ。